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失敗することの大切さ

| 投稿者: 機械工学科

皆さんこんにちは。

材料グリーンプロセス研究室(古井・加藤研究室)に所属する、機械工学科4年の阿部真之です。

私は「学士・修士一貫早期修了プログラム」という、いわゆる飛び級制度を申請したため、まわりの同級生よりも早く卒業研究を始めており、直近の夏休みから新学期までの半年間ほど研究をしました。

そこで、その半年の間に私が研究を進めていく上で最も大切だと感じたことを話していきたいと思います。

 

ここでまず、私の研究テーマについて説明します。

私は「塩水浸漬その場引張試験によるマグネシウム合金の真の引張特性の測定」という研究を行っています。

塩水浸漬その場引張試験というのは、塩水と反応して腐食した金属を、塩水から取り出すことなくその場で引張試験を行うユニークな試験法です。

また、引張試験とは金属を両端から引っ張り、徐々に力を加えていき、ちぎることでその金属の引張荷重に対する抵抗力を測定する試験です。

下の写真は引張試験の開始前の様子で、中央に固定してあるI字形の金属の薄板を上下に引っ張ることができるようにしています。

 

Fig1_20240507204801

引張試験前の試験機の様子

 

私は最初、その場引張試験を行うために、試験機に取り付ける治具を設計しました。

下の図は実際に私が設計した治具の組立図です。

 

Fig2_20240507204801

設計した治具の組立図

 

材料が実際に手元に届き、いざ治具の製作を始めようとしたときに問題が発生しました。

引張試験中に治具が壊れないよう強度が高い金属を選択したところ、大学にある工作機械では加工することができませんでした。

この経験から、使用する金属を選ぶ際には、強度のほかにも様々な性質を深く理解する必要があることを学びました。

 

そして、外注によって加工を依頼し、治具が完成した後も問題がありました。

それは、設計した部品を試験機に取り付けることができなかったことです。

私は先輩の図面を参考に治具を設計したのですが、先輩が製作した実物の治具をよく観察すると、後から加工して試験機に取り付けられるようにした跡が見つかりました。

この経験から、ひとつのものに頼って設計するのではなく、実物があるならそれを確認し、治具を設計した人がいるなら聞いて、多くの根拠をもとに設計を行うことが大切であることを学びました。

そして、新しいテーマで研究を進めるときこそ、先生や先輩の体験談をよく聞き、自身の研究に活かせることがないかを考える温故知新の精神の重要性も学びました。

 

以上のように引張試験を行う前の段階ですでに私は多くの失敗をしました。

失敗は成功のもと。

昔からよく言われる言葉ですが、研究にも当てはまります。

研究は失敗することが多く、たとえ失敗を重ねても、それらの失敗から何を学び改善するのかを考えることは成功以上に価値があります。

失敗したからといってくじけず、冷静に対処することが将来の成功をもたらします。

失敗は研究を進めるうえで避けては通れません。

しかし、何が要因となってそれが起こったのかを正確に把握することができれば、同じミスを防ぐことができますし、私の経験を話すことでまわりの人みんなの失敗を防ぐことにつながります。

事実、材料グリーンプロセス研究室のメンバーが同じように治具を作ることになった際に、参考として自身の経験を伝えることができました。

研究室とはそういった失敗を乗り越えて得た知識・経験を記録し、メンバーと共有することで蓄積していく場です。

ここで最も悪いのは、同じ失敗を繰り返すことや、失敗を恐れて何も行動しないことです。

皆さんが研究をするときはたとえ失敗したとしてもあまり気にすることはありません。

むしろその回数が多いほど自身の研究の深みが増していくでしょう。

なぜなら、知識や方法などは事前にインターネットなどで検索し調べることができますが、実際にやってみて失敗したという経験は検索してもヒットすることがない自分だけのものだからです。

 

今回は私が半年間の卒業研究を通して大切だと感じたことをお話ししました。

私の研究は道なかばで終わりが見えません。

この先も色々な失敗をし、様々なことを学んでいくでしょう。

研究で得た経験を私の人生で活かしていくために、 さらにがんばっていきたいと思っています。

 

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

 

 

 

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