学会に参加してみよう! ─私が参加したふたつの国際学会─
| 固定リンク 投稿者: 機械工学科
みなさん、こんにちは。
材料グリーンプロセス研究室に所属している大学院工学研究科サステイナブル工学専攻2年の岡崎颯太です。
みなさんは「学会」に参加したことはありますか?
学会は各分野の研究者、学生、企業などが自らの研究成果を発表し、議論や意見交換、研究者同士で交流をする場です。
最新の研究成果をお互いに知ることができ、さらに意見交換をすることで今後の研究・実験のヒントを得ることができる,研究者同士のつながりを作ることができるなど学会発表には非常に多くの利点があります。
特に研究活動のスタートラインに立つ私のような大学院生にとって、非常に多くを学ぶことのできる機会となります。
今回は、私が参加した国際学会2件についてお伝えしたいと思います。
THERMEC’2023(2023年7月2日~7月7日)
1件目はオーストリア・ウィーンのウィーン工科大学で開催されたTHERMEC’2023です。
THERMEC’2023の正式名称はThe International Conference on PROCESSING & MANUFACTURING OF ADVANCED MATERIALS Processing, Fabrication, Properties, Applicationsといい、先端材料のプロセスなどに関する国際会議です。
オープニングセレモニーの様子
THERMEC’2023は今年から対面での発表が復活したので、指導教員である古井光明先生・加藤太朗先生と共に現地オーストリアへ向かいました。
自分としては初めての海外だったので、非常に緊張しながら発表や渡航の準備を行いました。
THERMEC’2023ではPoster PresentationのStudent Postersというカテゴリで発表しました。
研究を行う学生がポスターを用いて自身の研究成果を発表するカテゴリです。
私は「Factor for improvement of plastic workability in magnesium alloy pipes through processing by torsion and back-torsion」というタイトルで、マグネシウム合金のねじり・ねじり戻し変形による特性改善効果についての発表を行いました。
ポスターセッションがスタートすると、各大学の先生方、企業の方、また学生のみなさんがポスターを自由に見て回り、気になった発表に対して質問を投げかけます。
私の発表は材料にマクロな変形を与えて特性を向上させるというわかりやすい内容であったこともあり、興味を持っていただけることができました。
そのなかで質問もいくつか受けましたが、即座に英語で返答するのは非常に難しく、ジェスチャーなどを交えながらどうにかすべての質問に返答することができました。
その一方で、自分の意図を正確に伝えられるような英語力を身につけるべきだと痛感しました。
ポスター発表会場の様子
ポスター発表後の記念写真
さて、国際学会では研究発表以外にも異国の文化に触れることも大切な勉強です。
オーストリアはヨーロッパのちょうど真ん中、東欧諸国と隣り合うような場所に位置しています。
周辺にはドイツ,スイス,チェコ,ハンガリーなどがあります。
またウィーンはオーストリアの首都で、音楽の都として有名です。
オーストリアの公用語はドイツ語なので、街中の標識や看板はドイツ語表記で読めないものばかりでした。
しかし、お店などでのコミュニケーションは英語で問題なく行うことができました。
左:駅看板。発音符号のウムラウト(この写真ではü)やエスツェット(ß)が特徴的
右:オーストリア特有のEINBAHN(一方通行)標識
ここで観光した名所の中から1つご紹介します。
ウィーン市街にあるカールス教会(Karlslirche)です。
バロック建築特有の豪華かつ曲線のあるデザインで、これぞヨーロッパ!といったような外観です。
内装も非常に豪華で、特に祭壇は光の差し込み方まで計算されたようなデザインで圧倒されました。
その他にもシュテファン大聖堂やシェーンブルン宮殿なども見学しました。
いずれも日本とは全く異なる文化をひしひしと感じることができました。
カールス教会の外観
カールス教会の祭壇
iDECON/MS2023(2023年9月1日~9月2日)
2件目は慶應義塾大学日吉キャンパスで開催されたiDECON/MS2023です。
iDECON/MS2023の正式名称はInternational Conference on Design and Concurrent Engineering & Manufacturing System Conference 2023といい、コンカレントエンジニアリングや製造システムに関する国際学会です。
マレーシアで生まれた学会ということで、参加者の方もマレーシアの方が非常に多かったです。
慶應義塾大学日吉キャンパス入口
iDECON/MS2023は対面とオンラインのハイブリット形式で開催されました。
私は1日目はオンラインでの聴講,2日目はキャンパスまで足を運び、対面での口頭発表を行いました。
口頭発表はパワーポイントのスライドを使用しながら、口頭で自身の研究成果を発表する形式です。
私は「Effect of various conditions on deformation twin formation by torsion and back-torsion」というタイトルで、マグネシウム合金にねじり・ねじり戻し変形を与えた際に形成される変形双晶の形成量についての発表を行いました。
口頭発表はポスター発表と違い、発表の制限時間が定められているため、発表時間を超えないようにする必要があります。
また、聴者全員の視線が発表者へ向けられるため、ポスター発表と比べて非常に緊張感がありました。
加えて、質疑応答も質問に対してきちんと返答しなければならないので、ポスター発表の際の会話形式での返答とはまた違った難しさがありました。
学会では他の研究者から客観的な意見や指摘をいただけるため、自身の研究を見つめ直す貴重な機会です。
さらに海外で開催される国際学会であれば、楽しく異文化にも触れることができます。
チャンスは逃さず積極的に参加し、研究成果を発表してみましょう!
そして、自らの人生観や価値観をさらに高めていきましょう!!
「研究」カテゴリの記事
- マルセイユで学会発表を行って来ました(2017.10.25)