機会に恵まれて…大学ならではの海外交流,7日間の記録を添えて
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Xin chăo!(こんにちは)
ヒューマンメカトロニクス研究室に所属している,工学部機械工学科4年生の赤崎恵士です.
9月25日より,東京工科大学は後期の授業が始まっており,機械工学科の2年生はコーオプ実習に励む時期となりました.私が実習に向かったのは2年前の今頃で,そこでは派遣された企業で業務を行い,多くの知識や経験を獲得することができました.そのときの内容は今でも思い出すことができるほど貴重な体験として私の記憶にあります.
今回のブログではそのような“実習”とは別に,今期の夏休み中に行われた実践工学プロジェクト海外演習という,新たに私の記憶に追加された貴重な体験について紹介したいと思います.
これからの学生生活の中で,海外へ行くかどうかを悩んでいる方々への新たな検討要素として扱っていただければ幸いです.
初めに,この実践工学プロジェクト海外演習は大学間協定を提携しているホーチミン市工業大学(IUH)に実際に学生および教員が訪問をして現地で交流をするといった内容になります.目的は,学生に今後必要とされる国際的なコミュニケーション能力やグローバルな視野を育成することです.今回は私を含めた希望した学生9名と7名の教員の先生方と共に参加することになりました.ちなみに,私が今回のプロジェクトに参加するに至った理由は,大学の紹介をするにあたってロボコン挑戦プロジェクトの紹介をしてほしいとの話が上がっていて,それにプロジェクト所属の人も参加してほしいから誰か参加しないかという話が上がったことがきっかけで,私が参加を希望しました.恥ずかしい話ではありますが,大学に所属して3年と半年,丸々ロボコン挑戦プロジェクトの活動を行っていたので,こうした大学生らしいイベントというものに参加した経験がなく,そこに少し憧れていたのではないかなと今では思います.
参加が決定した後は,ベトナムで行われるシンポジウムでの発表のための準備を出発直前まで進めていました.(この間に,大学に訪れていた中国の学生たちに英語でロボコン挑戦プロジェクトのプレゼンをする機会があり,本番前の場数を積むことができました)
こうした背景のもと,私たちは9月2日にベトナムのホーチミン市に向けて出発しました.飛行機は成田空港からベトナムのタンソンニャット空港を結ぶ直便で約5時間の飛行となりました.ちなみに,私は今年で22歳となりましたが,これまでに海外旅行などといった経験はなく,今回が初めての海外体験となりました.
ベトナムと日本の時差は約2時間あり,出発時は19時でしたが,ベトナムにつく頃でもまだ23時台でした.飛行機から降りて,入国審査を済ませた後は現地の大学で宿泊することになっていたので,空港から20分程かけて車でホーチミン市工業大学へと向かいました.ベトナム生活1日目は大学について宿泊する寮の部屋に案内をされて終了しました.
2日目 ホーチミン市観光
ベトナム生活2日目は現地のスーパーでの買い出しから始まりました.ベトナムでは水道水をそのまま飲むことができないので,飲料水や現地の食べ物,生活用品などを現地のスーパーに買いに行きました.買い物は順調にすることができたのですが,帰り道にスコールにあってしまいずぶ濡れの中大学に帰ることになりました.ベトナムは亜熱帯性気候で,今回訪れたホーチミン市は南部にあり,乾季と雨季があります.その中でも今回は雨季の時期にベトナムに訪問をしたので,1日に何回かは雨が降るような状況でした.
大学に帰った後は,改めて別の服に着替えてホーチミン市の観光に行くことになりました.
観光では,郵便局とホーチミン市を見渡せるタワー,そして市場に行きました.郵便局では,世界中の国の時刻を見ることができる時計がありました.時計の下には電話ボックスのような空間があり,ドア越しにその中に入るとその国の時間を体験できるといったものでした.
郵便局を出た後は,ホーチミン市を見渡すことができるタワーに上り,市内全体を見渡しました.そこから見えた景色は,都市部の街並みの中に緑が見えるといった,これからも変化をしていく景色であり,東京などで見る景色とはまた違う不思議なものでした.きっと数年後にまた上れば全く違う景色になるのだろうなといった感覚がありました.
その後は昼食を食べた後にはベンタン市場という場所に行きました.ここは観光客向けの市場として展開されており,建物の中には多くの観光客であふれていました.通路が狭く,歩いていると店員さんから日本語で「これはどうですか?」,「これ安いよ!」などとひっきりなしに言われるのでどこを見ればいいのかさっぱりでした.
3 ベンタン市場
ベトナム生活2日目はその後,教員の先生が予約してくださったお店でベトナム料理を堪能した後に大学に帰宅して終わりました.
3日目 ミトー観光ツアー
3日目はミトーというところに観光に行くことになりました.移動は大学からバスに乗って,1時間30分ほどかけてたどり着きました.ミトーについたら現地のガイドさんと一緒にツアーを楽しみました.ツアーの内容は,メコン川を渡って島々を巡るといったものでした.
最初に渡った島では,はちみつとココナッツについて紹介されました.そこではガイドのマイさんから急に蜂の巣を渡されました.巣は養蜂ように作られた格子の中に作られていて,びっしりと蜜蜂が張り付いていました.その後の説明中にも常に周りに蜜蜂が飛んでいる状態だったのでなかなかにひやひやした体験となりました.(その後は何故か蛇を首に巻き付けるなどのイベントもありました)
5 蜜蜂の巣
6 首に巻かれた蛇
蜜蜂の養蜂エリアを抜けると,今度はココナッツの加工場に着きました.ここでは育てたココナッツを殻とココナッツミルク,ココナッツオイルに分けてそれぞれを加工していく様子が見られました.ちなみに私はここでココナッツキャンディをお土産として購入しました.マイさんによると,ココナッツを使って作る商品は砂糖が使用されておらず,健康的でとても良い食べ物だそうです.
ココナッツについての説明を受けた後は,メコン川を小さなボートを使って渡りました.このときの様子は回りが南国の植物に囲まれながらゆったりとその景色が流れていくもので,ベトナムの自然を感じることができました.
メコン川を小型ボートで渡った後には昼食をとるために観光用の船で別の島に向かいました.その島では何故か現地アトラクションのようなものがあり,マイさんがノリノリで進めてきました.それらのアトラクションはどれもアスレチックのようになっていて下手をすればメコン川に落ちるようなものでした.(今でもよく落ちなかったなと感じています)
8 綱渡り(アトラクション)
昼食を食べた後はマイさんたちとお別れをしてベトナムのお寺を訪れ,大学に帰宅しました.大学に帰ってきた後は4日目の発表のための最終確認を済ませたところで3日目が終了しました.
4日目 国際シンポジウム
4日目は今回の訪問のメインイベントである国際シンポジウムの開催です.
今回行われたシンポジウムでは初めに参加した各大学の紹介から始まり,特別講演を挟んだ後にそれぞれの分野に分かれて発表会といった流れになります.
9 機械工学および先進応用メカトロニクス
私が参加した分野は機械工学と先進応用メカトロニクスという分野でした.ここでは本学からは工学部機械工学科に所属する学生と教員が参加しました.発表の形式はホーチミン市工業大学の教員の先生方と東京工科大学の機械工学科の先生方の発表に加えて,今回プロジェクトに参加した学生の研究発表やベトナムの学生の発表などがありました.私は今回,自身の研究ではなく,私が所属しているロボコン挑戦プロジェクトについての紹介をさせていただきました.まさかの初の対外発表が海外という形になりましたが,発表資料やプレゼンの練習などは日本にいる間に指導教員の先生のもと,多くの推敲や練習を重ねていたので,本番で緊張はしましたが,問題なく発表できたことは今でもうれしく思っています.また,ホーチミン市工業大学の教員の先生の中にはロボコンを昔やっていた方もいらして,昔のベトナムのロボコンなどについて教えていただきました.
10 ロボコン挑戦プロジェクトの紹介
全ての発表が終了した後には,その分野で話したメンバーの方々に連れられてベトナム料理店に行き,そこで国際シンポジウムの打ち上げを行いました.初めてベトナムの方々と一緒にお食事をしましたが,皆さん盛り上がるための乾杯が非常に大好きで誰かがコップを掲げるたびに乾杯を繰り返していました.ちなみに,ベトナムでは乾杯をするときに「モ,ハイ,バー,ヨー!」(「1,2,3,Yo!」)の掛け声をするのでこちらを覚えておくと皆さんがベトナムを訪れた際に現地のベトナム人の方々とすぐに仲良くなれるかもしれません.
そのようにして,打ち上げが終わった後は大学に帰宅して4日目を終えることができました.
5日目 味の素工場見学
5日目はベトナムの味の素工場を見学するイベントがありました.このイベントでは早朝からホーチミン市工業大学の学生とバスに同乗して現地まで向かいました.現地に行くまでの間,隣の席に座っていたベトナム人の学生と仲良くなり,専攻している分野や趣味,好きな音楽などを教えてもらいました.(日本のアーティストが好きみたいでした)
11 味の素工場見学
味の素工場についた後はガイドさんに連れられて有名な味の素の生産現場を見学させていただきました.原材料を生産する畑であったり,水質を確保するためのプラントであったり,実際の生産の様子,監視体制であったりと普段私たちが利用している味の素が作られるまでを見ることができました.
味の素工場の見学が終わった後はそのまま大学に戻ってきましたが,途中で仲良くなったベトナムの学生と一緒に観光に行こうといった話になり,少し時間をおいた後に一緒に観光に行って案内をしてもらいました.
夜間には一緒に夜ご飯を食べに行くことになり,ピザを食べに行きました.そこでは私たちが時間を勘違いして40分遅刻したり,オーナーが日本人でたまたまお互いに日本人であることを認識する瞬間があったり,そのオーナーにベトナム人の友人が日本語で料理がおいしいことを伝えようと練習したけれど既にオーナーが帰宅してしまったことなどおもしろおかしいイベントが多々あり,海外の学生との交流をしているという実感と共に楽しい思い出となりました.
6日目 異文化交流会
6日目はもう一つのメインイベントである異文化交流会がありました.このイベントでは各国の料理を振舞ったり,衣装や文化を紹介するなどといったり,自国以外の文化について直接触れてみようといったものでした.
朝から私たちは大学の調理室に案内されて,そこで教員の先生方にお持ちしていただいた材料を使ってうどんとそうめんを作り,学生たちに振舞いました.そこでは,各国の料理が多く並んでおり,いろいろと食べさせていただきました.
料理を食べた後は,グループに分かれてそれぞれが市内探索をしました.私たちのグループはベトナムの独立記念館と再び郵便局に行きました.独立記念館は昔,大統領などが会合などをしていた場所で現在はライブなどでも利用されることがあるそうです.建物内にはいくつかの部屋があり,それぞれが歴史的価値を持つものとして展示されていました.
12 独立記念館
その後は私にとっては2度目の郵便局への観光になりました.実は,2日目で紹介した時計の説明はこのときに同じグループで回っていた学生が説明してくれていたことばそのままになります.2度目に訪れた際には,1度目と異なり,郵便業務などのカウンターの数が増えており,さらににぎわった観光地になっていました.そこでは実際に時計台の中に入ってみたりして1度目ではできなかったことをすることができました.
市内散策が終わった後は,大学に戻って夜ご飯を食べた後にステージ付きのホールに集まって各国の出しものが行われました.ここでの出しものでは,着物を着て盆踊りを会場の全員と踊るといったことをしました.多少の機材トラブルなどもありましたが,会場の全員が立ち上がって盆踊りをする姿をステージ上から眺めるといった中々体験するようなことがないことを体験できました.出しものの後は各国の衣装を見せるファッションショーが行われました.そのあとは何故かみんなでステージに上がってダンスを踊り(何も分からないので見様見真似で踊りました),最後には2匹の龍を表した人たちが表れてココナッツを割るといった演技を見せていただきました.イベントが終わった後には全員で集合写真を撮影して個別の写真会のような形で夜遅くまで過ごしました.
13 異文化交流会
7日目 帰国
今回のプロジェクトは本来,10日間の滞在予定ですが,私と一部の教員の先生方は日本での予定があるため,このタイミングでの帰国となりました.早朝7時の飛行機でしたが,ホーチミン市工業大学の教員の先生も空港まで同行していただき,「またお会いしましょう」と言ってお別れをしました.その後は特に問題もなく出国審査も通り(なぜか金属探知機に引っかかる),無事ベトナムから飛び立つことができました.日本ではちょうど台風が直撃しているタイミングでしたので,帰りの飛行機は過去に経験したことがないほど揺れていましたが,無事成田空港に着き,入国審査も通過して帰国することができました.
このような形で,私の初めての海外旅行?は終了しました.今回の経験を通して,私は次のことを学びました.
- 海外の人は話せば理解をしてくれる(理解しようとしてくれる)こと
- どんなにたどたどしい英語であってもそれをしっかりと聞いてくれる
- 逆に言うと話さなければ絶対に伝わらない(ジェスチャーも大事)
- 伝わる英語で返してくれる
- 自分はまだまだ語学力が足りないこと
- 本当に伝えたいことを表現できない
- 相手の言いたいことを理解できないことがある
- 英語を話す意識が足りない
- 異文化の人々,海外の人々とつながるということ
- これまでは日本人とばかり話していたが,それだけでは得られない新鮮さや気づきがある
- 彼らは自身のことをとても細かく紹介してくれる
- 海外の人々はとても積極的で話上手
上記のように,私は改めて今回のプロジェクトを通して気づいたこと,学びたいと思ったこと,大事にしたいと思ったこと,しなければいけないことを意識するようになりました.自身が変わったと感じるのではなく,変わりたいと思い,どう行動するのか.それができていると自覚できるようになることは今後の活動や将来の生き方としても非常に有用になるのではないでしょうか.このブログを読まれている皆さんにもぜひ,そのような自覚できる瞬間というものを経験してもらいたいです.私はそれを今回の海外訪問を経験して得ることができたと感じています.他の海外訪問プログラムも本学では多く展開されていますので,自らに合いそうなプログラムを探して参加してみてはいかがでしょうか?
このような長々しい文章をお読みいただきありがとうございました.今回のプロジェクトで我々は楽しめたからこそ強く記憶に残り,新たに学びたいと思わせる要素となっていると私は考えています.大学は恵まれた機会の宝庫です.皆さんもタイミングが来れば(もしくは自分で求めれば)機会は必ず訪れるはずです.そのときにはぜひともその機会を活用して新たな自身の変曲点となるのではないでしょうか.
それでは,このブログを読んでいただいている皆さんにも恵まれた機会が巡ってくることを祈念しまして今回のブログを締めさせていただきます.
Tạm biệt! (さようなら)
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