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2023年6月

2023年6月13日 (火)

卒業研究@CMCセンター

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みなさん、こんにちは。

古井光明先生・加藤太朗先生の材料グリーンプロセス研究室に所属しています、工学部機械工学科4年生の栗原裕人です。

材料グリーンプロセス研究室では金属・音響・CMCの3つのグループに分かれて研究を行っています。

このブログでは私が卒業研究をしている「CMC」について紹介させていただきます。

 

CMCとは超耐熱高温構造材料であるセラミックス複合材料(Ceramic Matrix Composites)のことで、その特徴として「軽量」・「高い耐熱性」「延性的な破壊」の3点が挙げられます。

一つ目の特徴「軽量」は、現在、航空機のエンジン部品に用いられているニッケル(Ni)系の耐熱金属の密度が9 g/cm³に対して、炭化ケイ素(SiC)の母材をSiC繊維で強化したSiC/SiC複合材料のそれは2~2.5 g/cm³と1/3程度の密度であることです。

二つ目の「高い耐熱性」です。

CMCは1400℃もの高温下での利用が可能であり、 Ni基耐熱金属の最高使用温度が1150℃であることから、優れた耐熱性を持っていることがわかります。

三つ目の「延性的な破壊」です。

ただの(モノリシックな)セラミックスは靭性が乏しいため、材料としての安全性や信頼性が低い問題があります。

一方CMCはセラミックスの母材に繊維を組み込むことで強度と靭性を両立しています。

強度とは形を変えずにどのぐらい力を支えられるかを示し、靭性とは材料の粘り強さで亀裂が成長しにくい性質のことです。

材料は強度を高めると靭性は逆に低くなり、靭性を高めると強度は低くなる表裏の関係があります。

つまり、強度と靭性のトレードオフをバランス良く改善した材料がCMCなのです。

航空機産業では航空機の燃費向上による省エネルギー化と、航空機が排出するCO₂の削減目標が立てられています。

その目標を達成するため、航空機エンジン部品材料の耐熱性向上と軽量化が求められています。

しかし、現行の金属材料ではその耐熱温度が融点に近づき、耐熱性に限界が見えてきています。

そこで私が研究をしているCMCが注目されています。

 

続いて私が実際にCMCセンターで行っている研究について紹介させていただきます。

私の研究テーマは「CMCの溶融含浸プロセスの最適化」です。

提案されているCMCの製造方法の中で最も有望な反応溶融含浸(RMI)法では、CMCに気孔ができてしまう問題があります。

そこで私は溶融Siをプリフォーム全体へ均一に含浸させ、緻密なマトリックスを形成させることを目的として研究に取り組んでいます。

また空隙の少ないCMCを製造するために、SiC繊維にスラリーを塗布する工程においてスラリーを構成するSiC粒子・樹脂・炭素微粒子・造孔材・溶剤の配合割合を変化させ、溶融Siの含浸のしやすさや製造したCMCの性質を調べています。

実験の変数が多く、無数のパターンで試行錯誤を繰り返さなければならないため、失敗することもあるのですが、小さな変化を見つけ出すことを楽しみながら研究を進めています。

 

CMCセンターは国内の産官学の連携拠点としてプロジェクト推進や共同研究を行うために設立された、世界に類を見ないCMCの総合開発センターです。

CMCセンターで研究をすることで産官学の連携に加わることができ、自分のためだけでなくサステイナブル社会の発展・充実に貢献することができます。

大学卒業後に就職する企業で自分の知識や技術をどのように社会に還元できるかなどの働き方をイメージすることができ、とても良い経験になります。

その他にもCMCセンターで研究していることは、就職活動における自分の強みやアピールポイントとして活用することができます。

 

私はCMCセンターで研究できるという貴重な経験をむだにしないように研究に励み、少しでも社会に貢献できるようにがんばりたいと思っています。

みなさんもぜひCMCセンターで研究してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

2023年6月12日 (月)

国際学会ICPS2023で論文を発表しました

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みなさん、こんにちは。

先進メカトロニクス研究室に所属している修士1年のワタナベです。

202358~511日まで中国ので開催された6th IEEE International Conference on Industrial Cyber-Physical Systems(ICPS2023)で研究発表しました!!

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私は、Sound Field Control by Using Equivalent Input Disturbance method”について発表しました。私の研究は、騒音を抑制するために騒音の音を推定し騒音の逆位相の音で制御するものです。私の発表は、初日の1番最初でした。初めての英語での発表でとても緊張しました。英語で質問がありましたが、なんとか答えることができました。他の人の発表もあり、とても勉強になりました。また、自分の研究でも使えそうな制御システムの研究を発表している人がいてコミュニケーションをとることができました。

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学会が終わってからは、観光をしました。黄鶴楼という有名な塔や地元の商店街のようなところに行ったり、東湖めぐりの船に乗りました。中国は、交通費が安かったのが印象的でした。また、ほとんどの支払いがキャッシュレスで現金は使っていませんでした。

困ったことに、空港などでほぼすべての人が中国語で話しかけてきました。すごく海外に来たなと実感しました。空港からホテルとホテルから空港までは、車で送ってもらいました。帰りの車の中で、日本のエヴァンゲリオンの曲が流れていて日本語がない海外で日本の曲がかかってすごくテンションが上がってしまい車を降りたときにすごく感謝し、見送りをしました。

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今回は、初めての学会発表が海外でとても大変でしたが、とても良い経験になりました。もっと研究頑張ってみようと思います。

最後にこの場を借りて英語の論文作成に多くの助言を頂きました王さん、佘先生ありがとうございました。

2023年6月 8日 (木)

6月18日のオープンキャンパス

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皆さん、こんにちは。

機械工学科の広報担当のシャです。

今回は6月に行われるオープンキャンパスについてお知らせします。

 

6月18日(日)に来場型のオープンキャンパスを実施します。機械工学科では、

などを行います。是非参加体験してください。

 

また、八王子キャンパスは昼食も提供します。

 

来場型オープンキャンパスでは入試説明会を申込制、入退場自由で行います。

オープンキャンパスの詳細はこちらで、予約はこちらからお願いします。

またバーチャルオープンキャンパスでは6月1日(木)―18日(日)の期間にオンデマンド動画で学長による大学紹介や学部・学科説明などがご視聴になれます。

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入試説明会会場

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ロボコン出場機体の説明

2023年6月 3日 (土)

新生活のスタートを切るために

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みなさんこんにちは。

機械工学科4年生の角井優と申します。

 

突然ですが、新年度になって良いスタートを切れていますか!?

私は2年前の2021年4月に日本工学院専門学校から東京工科大学2年次へ入学した、いわゆる編入生です。

私が編入学した機械工学科2年次クラスでは、1年次から在籍しているクラスメイトがすでに各々で仲間作りを進めていました。

その輪に加わる私は学業・大学生活共にクラスメイトの協力が不可欠と考え、講義終了後にはクラスメイトが何を話しているかを調査し、それをコミュニケーションのきっかけとして人間関係を構築していきました。

気がつけば40名を超えるクラスメイトと関わりを持つことができました。

多くのクラスメイトと交わり関わる中で、コミュニケーション能力に磨きをかけ、それを学業や就職活動でも発揮しました。

その結果、グループワーク系の演習科目で好成績を収め、第一希望の企業の内定を獲得することができました。

現在は材料グリーンプロセス研究室の仲間と協力し合いながら、強ひずみ加工したマグネシウム合金の超塑性に関する卒業研究に取り組んでいます。

 

ここまで私の成功体験をお話ししたのですが、みなさんの中には「引っ込み思案な自分には無理」,「私はひとりが好き」な方がいると思います。

私が新しい環境の中でがんばったことが人間関係の構築だっただけで、みなさんそれぞれ学生生活を充実させようとする方法は違うと思います。

良い学業成績を収めること,ひとりで楽しく過ごすこと,多くの人とつながること…人によって充実した学生生活の形は様々です。

その一方で、どのような環境下・条件下であっても、自分の意思をしっかりと持って行動することが最も重要であると私は考えます。

他人に流されて追従することは自身にとって楽な選択かもしれませんが、学生生活を進めていく上で必ず大きな弊害となります。

特に就職の採用面接では、自身の考えや意見を自身の言葉ではっきり伝えることが求められ、それができないと、就職活動がままならなくなります。

常日頃からよく考え正しく判断し、それを行動や実践につなげるトレーニングを積み重ねることが大事です。

 

私が願うのは、このブログを読んでいるみなさんが楽しく充実した学生生活を送れることです。

このブログがみなさんの背中を押すきっかけになったのならば、執筆者として何よりの喜びです。

みなさん自身の意思を持って、素晴らしい学生生活を送れるようにがんばっていきましょう!

もちろん、私もがんばります!!

 

最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。

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