大学院で学ぶ楽しさと研究の面白さ
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皆さんこんにちは。
材料グリーンプロセス研究室(古井・加藤研究室)所属、工学研究科サステイナブル工学専攻2年の成田哲也です。
今回のブログでは、私が「学士・修士一貫早期修了プログラム」を活用して進学した大学院での研究生活についてお話しいたします。
まず大学院への進学を決意した経緯についてです。
私は工学部機械工学科を卒業して機械系のエンジニアになるつもりでした。
ところが3年生の夏ごろ、「学士・修士一貫早期修了プログラムへの参加条件を満たしている」との連絡が学務課から来ました。
大学院進学を考えていなかったため、そのプログラムは初耳でしたが、学生便覧を確認すると、修士課程を修了するためには学部4年+修士2年の計6年が必要なところ、このプログラムを利用することで学部3.5年+修士1.5年の計5年で修了できることがわかりました。
1年分の学費が節約できることや生涯賃金がアップすることなどのメリットがあり、両親との相談の上で大学院進学を決意しました。
いざ学士・修士一貫早期修了プログラムが始まると、当然ながらクラスメイトよりも早く大学院の講義や研究がスタートするため、これまでと同じキャンパスであるにも関わらず全く新しい環境へ来たような気持ちになりました。
履修したクラスは学部の専門科目よりもさらに深い、また最先端の講義ばかりで、自分がこれまで勉強してこなかった異分野の内容もあります。
しかし課題について相談する相手が見つからず、解決の前提となる知識もないためインターネットで見つけた資料と講義スライドを見比べたりして、やっとの思いで課題に取り組んでいました。
卒業研究は、次世代の航空機エンジンにセラミックス基複合材料(Ceramics Matrix Composites;CMC)を搭載するための重要な機械的性質である高温引張特性を明らかにする試験法を確立する「セラミックス基複合材料の超高温引張試験」でした。
CMCセンターの田中義久特別研究教授からいただいた参考資料や学術論文を見て勉強するところからのスタートです。
もちろん知らない専門用語や、よくわからない数式がたくさん書かれていて、読むだけでもなかなか大変でした。
しばらく悪戦苦闘しながらも自分の知識や経験が着実に広がっていくうれしい充実感があり、苦戦とは言いつつも晴れやかな気持ちで学修を進めてきました。
すると最初は読むのに抵抗があった論文も、専門分野の知識が得られるとても良い教材であることに気が付きました。
卒業研究の成果をまとめた卒業論文の作成では、それまでに勉強したことを総復習しながら完成させたときの達成感は他では体感できないものでした。
学部を卒業して修士課程が始まると、卒業研究よりもさらに高度な「セラミックス基複合材料の高温疲労特性」に携わり、CMCの信頼性を担保するために重要な技術開発を行いました。
卒業研究ではとにかくたくさん実験をしてデータを集めていましたが、修士課程では試料の関係で実験は最小限にとどめ、ひたすら論文を読んでデータの解釈を勉強しました。
論文を読むごとにデータのもつ意味が解釈できるようになる感覚は、探しものが見つかったような、さわやかな気持ちがあると共に、自分の実験データを見直してみるとそれまで分からなかったことに気付いて自分の成長を実感できます。
まさにこの実感が研究の醍醐味であると思うので、皆さんもぜひ研究をする際はテーマについてだけでなく、自分の成長を軸に様々な勉強をしてみて下さい。
私は修士課程の研究成果や知識・経験が認められて、セラミックスやガラスを製造する企業へ就職します。
社会人になってからも、自分の成長を実感できる研究開発に携わりたいと思っています。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
おまけ
修士課程では学会での対外発表が修了要件のひとつとなっており、私も2022年11月にアメリカのサンタフェで開催された国際学会にてポスター発表しました。
プレゼンテーションはもちろん、質疑応答やその他の会話も全て英語のため、とても大変でした。
その一方で、大学や研究所だけでなくメーカーのエンジニアも参加しているため、自分が持っていなかった視点から質問・指摘されたりしてとても勉強になりました。
また、サンタフェの歴史や文化にも触れることができて、今後につながるとても良い経験になりました。
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