日本機械学会関東支部神奈川ブロック学生会イベントに参加しました!
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機械工学科材料グリーンプロセス(古井・加藤)研究室4年生の岡崎颯太です.
9月2日(金)に開催された日本機械学会関東支部神奈川ブロックの2022年度学生会企画「日産自動車横浜工場のバーチャル見学および若手技術者の講演会」に参加しました.
新型コロナウィルスの影響で3年ぶりとなった工場見学および講演会は,オンラインで開催されました.
このイベントは,私が所属する材料グリーンプロセス研究室の加藤太朗先生に紹介していただきました.
私は自動車に興味があり,その安全性・環境対策・リサイクル効果について学ぶことができる機械工学科へ入学しました.
自動車工場の見学や,自動車について研究・開発を行っている技術者の方のお話を聞くことができる今回のイベントは貴重な機会であると思い,参加を決意しました.
神奈川ブロック長の青山学院大学麓耕二先生の挨拶の後,日産自動車株式会社総合研究所エキスパートリーダーの南部俊和様より,自動車業界の動向や日産自動車での取り組み,最新技術,将来のモビリティについて講演がありました.
CASE(コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化)やMaaS(サービスとしてのモビリティ)が叫ばれ,100年に1度と言われる変革期を迎えている自動車業界において,自動車が持つ課題について,エネルギー,温暖化問題を解決する「ゼロ・エミッション(電動化)」と,渋滞や事故を回避する「ゼロ・フェイタリティ(知能化)」の2本の柱で取り組んでいるとのことでした.
前者のゼロ・エミッションについては2010年から発売されているリーフや,今年2022年に発売されたアリア,サクラといったBEV(バッテリ式電気自動車)を例に挙げて,どのような進化を遂げてきたか解説いただきました.
また,駆動用モータと発電用エンジンを組み合わせたハイブリットシステムであるe-POWERについても解説いただきました.
後者のゼロ・フェイタリティについては,運転支援システムであるプロパイロット,プロパイロット2.0について解説いただきました.
講演の中で驚いたのはBEVの開発から販売するまでにかかる年数です.
日産自動車におけるバッテリーやモータなどBEV関連の研究は1990年頃から始まっており,それは初代リーフが発売された2010年の20年前です.
将来の社会情勢やニーズを見通し,長い年月をかけて目標を実現していくことが大切だと分かりました.
続いて,日産自動車横浜工場のバーチャル見学を行いました.
横浜工場はエンジンやモータを製造するパワートレイン工場であり,今回はシリンダブロックの鋳造,クランクシャフトの鍛造と機械切削仕上げ,パワートレインの組み立ての工程をオンラインで見学しました.
クイズを交え,楽しみながら見学することができました.
さらに,ゲストホールも案内していただきました.
ゲストホールには歴代のエンジン,モータ,車体の展示があり,入館無料で現地見学することができます.
下記URLから横浜工場ゲストホール見学の詳細を見ることができます.
興味がある方はホームページ(https://www.nissan-global.com/JP/PLANT/YOKOHAMA/)をのぞいてみて下さい.
日産自動車では生産工場にインテリジェント・ファクトリーをいち早く導入し,匠の技術を継承するロボットの導入,ロボットと人が共生した働きやすい環境づくり,ものづくり全体でカーボンニュートラルに貢献できるような取り組みを行っています.
最後に,3名の若手技術者による講演をいただきました.
まずは日産自動車株式会社総合研究所の小山将樹様による,自動車軽量化のためのマルチマテリアル構造研究に関する講演です.
次に,株式会社リコー先端技術研究所の植平将嵩様より,循環型社会実現に向けたリコーの取り組みと,具体的な事例であるレーザーによるラベルレス印刷技術について講演をいただきました.
最後は,富士電機株式会社発電プラント事業本部の小林大輝様より,大型回転機械の設計や輸送,据付段取りの検討,さらに,この講演会が大学生向けであることから,ご自身の経験を踏まえた就職・転職活動のコツや,大学と企業の違いなどについても講演をいただきました.
幅広い分野で活躍されている技術者の方の講演を聞くことができ,普段大学で学んでいることが,社会に出た後にどのように活かされているかなどとても参考になりました.
特に小山様の自動車部品のマルチマテリアル化(異なる材料の組み合わせによる部品の製作)については,私が金属材料とその製造プロセスの研究に取り組んでいることもあり,非常に興味深かったです.
また,小林様の「会社は商売をするところである」という言葉も非常に印象に残っています.
大学のように正解を見つける学びではなく,QCD(品質・コスト・納期のバランス)の最適解を導き出すことが仕事であるという説明に感銘を受けました.
今回のイベントを通じて,企業の社会貢献に対する考え方を学ぶことができました.
小林様のお話しを踏まえて今回の講演会全体を振り返ると,それぞれの企業は自分たちのコア技術をどのようにして社会に役立て還元するか,を常に考えていることがよく分かります.
それぞれの企業のコアでオンリーワンな技術を持って業界をリードし,自分たちにしかできない価値の創生を行っています.
私は今回の学びを就職活動,特に面接へ活かしたいと考えています.
企業の採用面接では,「なぜこの会社に入社したいか」を問われます.
企業の理念やビジョンを深く理解することで,より良い的確な回答ができると思います.
締めくくりに,講演をいただいた講師の皆様,日産自動車横浜工場を案内していただいた葛西様,またイベントを企画して下さった東海大学の加藤英晃先生に感謝申し上げます.
貴重な機会を与えて下さり,本当にありがとうございました.
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