夏季インターンシップの体験を通して
| 固定リンク 投稿者: 機械工学科
みなさんこんにちは.
材料グリーンプロセス研究室(古井研究室)に仮配属となりました,機械工学科3年生の塩井壮馬です.
2021年度の夏季インターンシップは2020年度に続いて新型コロナウイルスの影響が大きく,就職情報サイトであるマイナビでインターンシップ実施企業を探したところ,オンラインでの開催がとても多く感じました.
私はオンライン形式のインターンシップもいくつか経験しましたが,このブログでは私が参加した対面型のインターンシップやそれを通じた学び・気付き・成果などについて紹介します.
私は1年次後期に開講された古井先生の講義「サステイナブル機械材料」を受講して,金属の成形加工やそれに伴う特性改善を学び,金属加工にとても興味を持ちました.
また金属加工の分野では,どのようなものづくりが行われているのかを知り,実際に体験するために,2年次後期のコーオプ実習では金属加工を主に行っている企業にて,旋盤による金属加工や製品設計の業務に従事しました.
就職先はもちろん金属加工企業を希望していますが,日本の企業には様々な業種・業態があり,それらのものづくりを実際に経験することで視野や見識を広げ,また興味を持っている金属加工業界の良いところ・改善すべきところを客観的に判断したいと思い,夏季のインターンシップではあえて,電子機器メーカーの対面式2dayインターンシップに参加しました.
2021年8月4日(水),5日(木)に実施したインターンシップは、企業説明から始まりました.
作っている代表的な製造物とその特徴,ものづくりを担う部署の紹介とそれぞれの業務内容,他の電子機器製造企業との比較などを採用担当の方が詳細に説明されました.
一言で電子機器のものづくりと言っても技術部,設計部,製造企画部,製造部など様々な部署があり,それぞれが連携し合うことで,高性能・高機能でコストを抑えた電子機器をより速くより安全に製造していることがわかりました.
また,持続可能な開発のための国際的な目標SDGsの達成に取り組んでいる話を聞き,サステイナブル系の科目や実習で学習した材料のリサイクルや環境負荷,特に環境負荷算定(LCA計算)の知識や経験がそれに貢献できることを実感しました.
駅や病院,学校など多くの人々が利用する施設では強度や耐震性に優れた設備が求められ,安心安全で高品質な製品を開発し顧客に提供することで持続可能な街づくりの実現に貢献することを,企業の理念や活動方針に掲げています.
インターンシップの醍醐味であるグループワークでは,4人一組のチームでディスカッションを行いました.
グループワークの題材は,会社の主要製品であるケーブルラックを用いた施工ルートの提案です.
ケーブルラックとは電気配線に用いる凹型の上棚で,多数のケーブルを敷設します.
施工は倉庫であると仮定し,レゴブロックと設計図を用いて主電源から各電気のポイントにつないでいくつかのルートを選定します.
いかに安く配線する工夫や仕組みをディスカッションしながらまとめるのが課題であり,早く配線するためにも作業効率を考慮しなければなりません.
ディスカッションの中でいくつかの施工ルートが提案され、その特徴や改善点を検討し,チームとしての意見を集約していきました.
その作業は思いのほか時間がかかったため,グループディスカッションの難しさや,コーオプ系の科目で学習したKJ法や演繹法などのブレインストーミングを実践する大切さを痛感しました.
それでもチームのメンバーと協力し意見をまとめ上げ,安く早く配線する施工ルートを提案することができました.
グループディスカッションでは,初めて会ったメンバーとも打ち解け合えるコミュニケーション能力・協調性と共に,いいねの精神で意見をたくさん出すこと,その意見をしっかり聞き理解する傾聴力がエンジニアに求められていると感じました.
また,多くの意見をまとめ,チームのディスカッションをより良い方向へ導くリーダーシップが重要であることがわかりました.
これは,古井先生が創成課題の講義でおっしゃっていた,チームのメンバーを巻き込んで,一緒になって課題を解決する,いわゆる「巻き込む力」に通じています.
このように,わずか2日間のインターンシップながら,機械工学科での学びを振り返り,その大切さに気付くと共に、学修を通じた知識や経験はものづくりの業務の中で最大限発揮してこそ良いものが作れることがわかりました.
また,オンライン形式のインターンシップでは体験できないフェイスツーフェイスなグループディスカッションによって,電子機器製造業界についてより深く理解することができました.
この貴重な経験と学び・気付き・成果をこれからの大学での活動,特に4年次で実施する材料グリーンプロセス研究室での卒業研究に活かしていきたいと思います.
最後まで読んで下さり,ありがとうございました.