ものづくり企業の夏季インターンシップに参加して
| 固定リンク 投稿者: 機械工学科
東京工科大学工学部機械工学科ブログを閲覧いただいている皆様、こんにちは。
材料グリーンプロセス研究室に仮配属されました、機械工学科 3 年生の清原匠生です。
2023 年 3 月卒業生を対象とした夏季インターンシップは、COVID-19 の影響もあり、多くの企業が対面での実施を取り止め、オンラインでの開催となりました。
その一方で、ものづくり企業では製造現場にて学生の能力や適性を見定めることを目的とした対面でのインターンシップが少なからず開催されました。
このブログでは、私が参加した対面でのインターンシップについてご紹介します。
私は暑さが残る 8 月 23 日(月)、茨城県土浦市にある某自動車部品メーカーの 1dayインターンシップに参加しました。
私がそのインターンシップにエントリーした理由はふたつあります。
1 つ目は、実際の現場での業務と材料開発のつながりを知りたいことです。
私は材料グリーンプロセス研究室にて、環境・エネルギー・リサイクルを考慮した新しい材料製造プロセスの開発に関する卒業研究を行い、大学院へ進学しようと考えています。
良い材料・良いプロセスの開発が、どのようにものづくりに活かされているのか、また特に金属材料の自動車用途に興味があります。
2 つ目は、所属している EV プロジェクト(再生エネルギー利用 EV 製作教育プログラム)において、電気自動車のサスペンション設計に携ることで身につけた自動車設計知識とノウハウを就職に活かしたいと考えているためです。
このように日頃より、東京工科大学での学びや経験を就職に活かしたいと思っていました。
某自動車部品メーカーは、乗用車、建設機械の部品やモジュールユニットを構成する材料の生産・開発を担っており、私の希望と合致したため、コロナ禍をもろともせずインターンシップへの参加を願い出ました。
インターンシップでは、自動車系列企業全体と、それを構成するグループ企業,土浦工場での業務の概要などについて担当の方より説明がありました。
某自動車部品メーカーが属する系列企業は、国内の輸送用トラックのイメージが強い一方で、現在、海外への展開も進めており、ピックアップトラックのような一般向け車両などを現地で生産しています。
就職にあたって、企業の安定性や将来性を気にしている方もいると思いますが、企業としての新しい取り組みや海外展開の方針などを含めて考え、企業研究,インターンシップに取り組むとより効果的であることを実感しました。
次はメインである材料開発部での業務体験とグループワークです。
トラックのエンジンや足回りの部品に用いられる素材であるねずみ鋳鉄とダクタイル鋳鉄の引張試験とミクロ組織観察の結果を元に、それらをどの自動車部品に用いるべきかの検討を行いました。
古井光明先生がサステイナブル機械材料の講義で説明された適材適所です。
このワークに取り組み、材料とその用途との適合性を考えることが大変難しく、また重要なことがわかりました。
材料を正しく選択するためには、適用する部品の特徴(どの方向から、どのような大きさの力がかかるのか、剛性が必要であるかなど)を考える必要があります。
今回は 2 種類の材料に対し、ダブルウイッシュボーン式サスペンションのアッパーアームとブレーキディスクどちらが適しているかを選ぶのみであったため、比較的容易でしたが、実際は費用対効果などについても考慮する必要があります。
材料開発部では、製品開発にあたって新しい材料の使用を提案することもあるため、材料の機械的性質・物理的性質に関する最新知識だけでなく、その加工や耐環境性,リサイクル性などの幅広い知見を持たなければならないことを痛感しました。
製品開発・製造では、各分野に分かれて業務に取り組みますが、より良い製品を作るためにエンジニアは相互に意見を交換し、ベストな案を設計,開発,製造に落とし込まなければなりません。
ある部署に所属していても、自動車のものづくり全体を見通して、設計,開発,製造,検査,販売など各分野の知見を持つことの重要性に気付くことができました。
このたびのインターンシップに参加し、自動車業界のものづくりの仕組みを知り得たことはもちろんのこと、私がこれから取り組むべき学修の課題が見えて来ました。
インターンシップの経験を、東京工科大学での学びと活動につなげていきたいと思っています。
最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。