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おすすめの2冊

| 投稿者: 機械工学科

みなさんこんにちは。
材料グリーンプロセス研究室(古井研究室)に所属している、機械工学科4年生の片岡若菜です。
大学は夏季休暇中ですが、残念ながら今年もコロナ禍で思うように外出できない状況が続いています。
せっかく時間があるのに暇を持て余している方も多いのではないでしょうか。
そこで、このブログでは時間のある今、機械工学科の学生のみなさんにぜひ読んで頂きたい、おすすめの本2冊を紹介します。

『できることならスティードで』
旅がテーマの15編のエッセイと3編の掌編小説(短編小説よりも短い小説)を合わせた加藤シゲアキさんのエッセイ集です。
加藤さんといえば、男性アイドルグループNEWSのメンバーであると同時に、最近では著書の『オルタネート』が第42回吉川英治文学新人賞を受賞するなど新進気鋭の小説家として活動の幅を広げています。
タイトルにある「スティード」とは、加藤さんが高校生時代に憧れていたバイクの名前で、そのスティードで行ってみたい場所をモチーフに書き進めたエッセイ集であるため、「できることならスティードで」というタイトルを付けたそうです。
ひとつひとつの話が短くて読みやすく、また内容が豊富なので、普段読書になじみが無い方でも楽しめるのではないかと思います。
「旅」というと旅行を連想しますが、それだけでなく釣りや料理、バイクや思索の旅などもあります。
「思索の旅」は難しそうに聞こえますが、悩んでいる時に参考にしたものや、なぜ小学校に通わなければならないのかなど、誰でも1度は考えたことがある題材です。
エッセイの中でも「trip7 時空」が1番印象に残っています。
NEWSの「U R not alone」という楽曲の
「ああどうか 力を貸してくれないか 昨日までの僕よ 共に乗り越えてきたじゃないか」
という歌詞のように、仕事で悩む時に力を貸してくれたのは過去の自分だという内容です。
私は就職活動で緊張した時や不安になった時にこの事を思い出して、「昨日までの自分」の積み重ねがあると自分に言い聞かせて心を落ち着かせていました。
就活や受験で悩んでいる方へ特におすすめしたいエッセイです。
3編の掌編小説に共通するキーワードは文字通り「鍵」です。
エッセイ集全体の中で鍵がどのような役割を果たしているのかにもぜひ注目して頂きたいです。

Fig1f

図1 できることならスティードで¹⁾

『キケン』
ごく一般的な工科大学が舞台となっている有川 浩さんの小説です。
有川さんというと『図書館戦争』や『三匹のおっさん』,『空飛ぶ広報室』など多くの著書が映像化されています。
タイトルになっている「キケン」とは、「機械制御研究部」というサークルの略称ですが、周囲からは「危険」として恐れられています。
この本をおすすめする1番の理由は、何といっても「面白い」からです。
特に文化祭の屋台で下処理を教わっているやり取りは何度読んでも笑ってしまいます。
クラブ説明会,恋愛,文化祭,ロボットの大会など、東京工科大学でもあり得るシチュエーションにおいて全力で取り組む姿勢に、「こんな楽しい大学生活を送ってみたい!」と思わずにはいられません。
この本は何かに熱中する楽しさや喜びを教えてくれます。
課題などが行き詰った時にこの小説を読み返すと、登場人物たちのように限られた大学生としての時間を最大限有効活用するために、目の前の事に全力を尽くそうと思えます。
気分転換として読んで毎回エネルギーをもらっています。
注意点として、この小説では文字通り「危険」なことをしています。
スリルを味わうのは本の中だけにとどめて、実際の研究や実験は安全•安心に行いましょう。

Fig2f

図2 キケン²⁾

大学のイベントや旅行ができず我慢を強いられている今こそ、本を読むことで疑似体験ができます。
そしていつか実際に経験できる時を楽しみに、本で学んだことをエネルギーへ変えていきましょう。
個人的には読書から必ず何かを学ばなければならないという事は無いと思っています。
もちろん、読書から何か学べたらとても素晴らしい事ですが、読んでいる最中や読み終わった後に、ゲームやアニメのように「楽しかった」と思えるだけでもその本を読んだ意味はあるのではないでしょうか。

今回紹介した2冊はどちらも東京工科大学の図書館にあります。
また、東京工科大学の図書館には入ってすぐの目立つところに、おすすめの本や本屋大賞ノミネート作,文学賞受賞作がまとめられているので、興味のある方はぜひ足を運んでみて下さい。

長くなりましたが、最後まで読んで下さり本当にありがとうございました。

出典
1)加藤シゲアキ 『できることならスティードで』,朝日新聞出版,(2020)
  https://publications.asahi.com/steed/

2)有川 浩 『キケン』,新潮社,(2013)
  https://www.shinchosha.co.jp/book/127632/

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