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サイコロキャラメルと空間認識

| 投稿者: 機械工学科

おひさしぶりです。
材料グリーンプロセス研究室古井です。
このブログでは、金属や講義のテーマをメインに取り上げてきましたが、今回はちょっと趣向を変えて、お菓子から話題を広げてゆきたいと思っています。
どうぞお付き合い下さいね。

つい先日、FMからこんなニュースが流れてきました。
「発売から89年もの歴史があるサイコロキャラメルが販売終了になりました」
高校生のみなさんからすると、サイコロキャラメルって何!? という感じかもしれませんが、ぜひお父様・お母様に尋ねてみて下さい。
「サイコロデザインの紙箱の中に、大粒のミルクキャラメルが2個入っていて、食べた後も遊べるお菓子なんだよ!」と熱く語られるはずです。
このキャラメル、普通のキャラメルよりも大きくて甘いのが特徴で、それはそれは、とてもおいしかったことを今でもよく覚えています。
そんなおいしさもさることながら、古井がピンときたのは、お父様・お母様のコメントの中にある「食べた後も遊べるお菓子」というところ。
おいしい+遊べるお菓子だからこそ、89年もの間ずっと、人々に愛されてきたんですよね。

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1 サイコロキャラメル(株式会社K.S.D.様のwebサイトより)


高校生のみなさん、自由な時間はどんな遊びをしていますか?
おそらくパソコンでインターネット,スマホでゲームのようなバーチャルで平面的な遊びをしている方が多いんでしょうね。
それらの影響からか、子供や若者では特に空間図形のとらえ方が弱くなっていて、技術立国日本の将来が危ぶまれるまでになっています。
ゆとり教育の弊害で、空間図形の学びが減ってしまったことも原因のひとつなのかもしれませんね。
それとは対称的に、みなさんのお父様・お母様の世代は、プラモデルや折り紙,知恵の輪のような空間を使った遊びで、イマジネーションを膨らませてきました。
事実、サイコロキャラメルの箱を分解してみると、
 ①同じ大きさの6つの正方形で構成されている。
 ②向かい合う面はそれぞれ平行で、隣り合う面は垂直である。
 ③向かい合う頂点を結ぶ4本の対角線の長さは等しい。
という立方体の性質だけではなくて、開けやすい・閉めやすいふたの構造や、のりしろの効果的な付け方などが、知らず知らずのうちにわかってくるから不思議です。
つまり、立体の空間的なとらえ方と同時に、機械の設計製図で言うところの展開図の基礎を、おいしい+遊ぶの中から自然に身に付けているのです。

機械を設計・製作するエンジニアにとって、物体の位置・方向・姿勢・大きさ・形状・間隔など、物体が三次元空間にある状態や関係をすばやく正確に把握・認識できることはとても重要です。
このような能力を持つエンジニアが設計・デザインするからこそ、直線運動や回転運動などを組み合わせた複雑な機構を、限られたスペースの中にレイアウトした機械が生み出されているのです。
よりコンパクトで高機能・高性能なものづくりが求められるこれからのエンジニアにとって、空間認識能力は欠かすことのできない大切なスキルです。

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2 機械工学科の機械設計・ものづくり科目群


東京工科大学工学部機械工学科では、おいしい+遊べるサイコロキャラメルのように、付加価値が高いものづくりを体系的に学び実践する、最先端の機械工学カリキュラムが整備されています。
そこでは空間認識能力はもちろんのこと、機械設計・製図の基礎と応用,サステイナブル概念などを修得した上で、リアルなものづくりを実践します。

これから大学でものづくりを学びたいと思っておられる高校生のみなさん、まずはパソコンやスマホから離れて、リアルなものに触れる時間を増やしてみられてはいかがですか!?
ものを見る・触れる・感じる先には、きっと新しい異次元な世界が広がっているはずです。

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