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「サステイナブル工学」の授業がスタートしました!

| 投稿者: 機械工学科

みなさん、こんにちは。サステイナブルマネジメント研究室芝池です。
 今回は、いつもの与太話(本人はいたってマジメです)ではなく、この4月から「サステイナブル工学基礎」の授業がスタートしましたので、その報告をいたします。

 工学部では、サステイナブル工学に関して「基礎」「実習」「プロジェクト演習」という3つの講義を2、3年生の時に三学科の学生全員が一緒に学ぶというカリキュラムを組んでいますが、そのトップバッターが2年前期の「サステイナブル工学基礎」です。
でも、サステイナブル工学にはまだ適当な教科書がなかったので、講義を開始するにあたり、工学部の先生方が協力してオリジナルテキスト(非売品!)を作成しました。
そうして臨んだ記念すべき第1回は「サステイナブル工学入門」と題し、その歴史と背景、概念や目標、さらには科学者、エンジニアのリーダーとして地球規模で活躍していくための心構えなどを中心に講義を行いました。
大勢が集まる授業なので多少不安はありましたが、300名を超える学生たちはみな引き締まった表情(目が悪いのでよく見えませんでしたが…)で最後まで真剣に聴講してくれましたので、まずは順調なスタートとなりました。
現在は第3回まで進んだところで、環境問題の現状やエネルギー問題の動向を俯瞰するとともに、これらの課題の要因や解決手段について考察を深めています。
今後は、サステイナブルな材料や設計・製造方法、ならびにシステム関連の具体事例や、技術・製品のSustainabilityに関する評価手法などを学びます。
そして、毎回演習問題に取り組みながら、グループ討議やレポート作成を通じてサステイナブル社会の実現に貢献する工学に必要な考え方と科学的なアプローチ方法を身に付けていく予定です。

ところで、本年はブラジルのリオでオリンピックが開催されますよね。
いきなりどうした?と思われるかもしれませんが、このリオ・デ・ジャネイロという都市はサステイナブル工学にとって大変意義深い土地なのです。
サステイナブル工学は環境問題の解決に向けた世界共通の理念であるSustainable Development(持続可能な開発、または発展)を具現化する社会(サステイナブル社会)の実現に貢献するための工学であると位置付けていますが、この環境問題に対する世界的な行動にとって忘れてはならない都市がリオだからです。
Sustainable Developmentは、1987年に始まった「環境と開発に関する世界委員会」別名「ブルントラント(当時ノルウェーの首相だった委員長のお名前です)委員会」の最終報告書にて提案された理念で、「将来の世代のニーズを損なうことなく現在の世代のニーズを満たすような開発」という、我々人類が進むべき方向を示した言葉です。
そしてその5年後の1992年、この報告書を受けてリオで開催された「国連環境開発会議(地球サミット)」で「リオ宣言」が採択され、Sustainable Developmentを人類の統一理念として環境問題に各国が協力して取り組むことが合意されました。
さらに、その20年後の2012年(北京オリンピックの年ですね)には再びリオで「Rio+20(正式名称はUnited Nations Conference on Sustainable Development)」が開催され、我々の活動の基本となるSustainable Developmentの重要性が再確認されています。
このように、非常に縁の深いリオ・デ・ジャネイロでオリンピックが開催される年にサステイナブル工学の歴史(やや誇張気味)がスタートするなんてホント感激ですね。

しかも、第1回はなんと4月8日だったのですよ(実にめでたい!)。
え、何をそんなに喜んでいるのかさっぱりわからないって?
実は、4月8日は知る人ぞ知る「花まつり」、お釈迦様の誕生日なのです。
仏像(特に十一面観音菩薩像、詳しくは環境効率にまつわる与太話をご一読ください)大好きの私にとって、その根拠となる尊い教理を説かれたお釈迦さまの誕生日とサステイナブル工学の講義開始日(つまり誕生日)が同じ日だというのは、とうとう私にも西方極楽浄土からお迎えが来たぞ!と思わず感涙にむせぶほどの喜びでした。

というわけで、ついに、サステイナブル工学の授業がスタートしました。
さあ、人類の素晴らしい現在と未来のために、みなさんも東京工科大学工学部でサステイナブル工学をはじめようではありませんか。

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