新々シリーズ:Sustainabilityの密室に君は何を発見するだろうか【第3回】
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みなさん、こんにちは。サステイナブルマネジメント研究室の芝池です。
前回、Sustainabilityと密室解明の共通点であるLCTとは何か、という宿題を出しましたが、答えはおわかりになりましたか?
まずはSustainability におけるLCTですが、これは前回も説明したようにLife Cycle Thinking(ライフサイクル思考)の略であり、「製品等のライフサイクル全体(資源の採掘から使用後の廃棄まで)に配慮する」という考え方でしたね。
それでは、密室解明のカギとなるLCTとは一体どのようなものでしょう。
実は、こちらのLCTは略称ではなく、3つの言葉の頭文字を示しています。
3つのPだとかEだとかCだとか、これまで様々な例を挙げましたが、密室を解明する時にはLとCとTで始まる3つの単語が大変重要になるのです!
では、まず初めにLですが、これはそのものずばりLock(鍵)のLです。
密室の第一の謎は密室を構成するドアや窓のLockにあって、その方式、形状、位置、材質、状態、等の様々な要素が密室を解くためのカギ(これはKey!)になります。
外からでは施錠や開錠ができないというのが密室の条件ですから、Lockの謎が解ければ当然密室の謎も解明できてしまうわけで、ほとんど三振だけどバットに当たればホームランもあるかも、という怪物江川投手の剛腕うなる直球勝負ですね。
ところが、Lockの構造や材料に関する科学的な裏付けが必要であったり、専門家の手に掛かれば簡単にからくりが解明できてしまったりする場合もあるためか、Lockそのもののトリックというのは、特に最近ではあまり多くないように見受けられます。
それに、高度な技術論的説明が延々と続いたのでは読者も興ざめですしね。
次はCですが、これはConstruction、すなわち建物(の構造や状態)のCです。
こちらはまさに変幻自在の変化球勝負、それもカーブやスライダーなんか目じゃない最強トルネード野茂投手の伝家の宝刀フォークボールか、あるいは星飛雄馬の大リーグボール(ご存知ですか?)みたいな魔球勝負もあって、結構楽しめます。
実はこの部屋は○○だった!とか、家全体が××になっていた!といった心底驚嘆すべき奇抜なアイデアがふんだんに盛り込まれており、それこそ破天荒な謎解きが目白押しなので私はこのパターンが大好きです。
そして最後のTですが、これはTime、つまり時間のTです。
そもそもこの事件が密室だと認識されたのは何時からか、どの時点で密室が現実に構成されたのか、つまり誰が何時どのように密室を形成したのか、といった緻密な検討を必要とする面倒くさい謎解きですが、その割には多く用いられているように思います。
あえて勝負を避けて敬遠しておき野手とのサインプレーでけん制球を投じて塁上で刺す、的な野村ID野球も真っ青の高等頭脳作戦(?)とでも呼びましょうか。
いかがですか、何はともあれ密室にもちゃんとLCTがありましたね。
ならば、本家のSustainabilityにだってLife Cycle Thinking以外のLCTが存在していても不思議ではないはずです。
ここまで来たらもう乗りかかった船ですから、Lock、Construction、TimeのようなSustainabilityのL、C、Tを解き明かしてみようではありませんか。
というわけで、今回の宿題(また!)は、Sustainabilityに潜んでいるLCTを考えるという、どこまでも英語にこだわった非常にしつこい設問なのです。
何度もお話ししているように、本学が標榜するサステイナブル工学の基本となる考え方はLCTであり、技術や製品の開発や評価において活用される分析ツールがLCA(Life Cycle Assessment)、そして価値を考慮した発展形が環境効率です。
ではみなさん、この解釈をふまえつつ、いろいろな観点からLCTについて考察を重ね、想像の羽根を大きく広げてみてください。
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