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ものづくりプレゼンテーション

| 投稿者: 機械工学科

みなさん、こんにちは。材料グリーンプロセス研究室古井です。東京工科大学では3月23日(水)の学位授与式を控えて静かな初春を迎えています。春は別れと出会いの季節。こちら八王子キャンパスでも、別れと出会いにまつわる、たくさんのドラマが生まれるはずです。
これまで3回にわたる連載記事として、「機械創造基礎」をモチーフにしながら、ものづくりの楽しさをお話ししてきました。ものづくりと一言で言っても、そこにはサイエンスやテクノロジーに裏付けされた原理・原則があります。東京工科大学工学部ではものづくりの原理・原則を基礎科目・専門科目でしっかり理解しつつ、実験・実習系の科目でそれを体得しながら、機械創造基礎のようなPBL(Project Based Learning:課題解決型学習)で応用につなげる最新鋭のカリキュラムが設定されています。その一方で図1に示すように、企業が求める大学生のスキルのトップに「コミュニケーション能力」があります。つまり、企業のものづくりはひとりで行う訳ではなくて、企画・設計の段階から大勢のエンジニアが協力してひとつのものを作り上げてゆきます。また最近では、実際にものを作ったエンジニア、すなわちそのものの良さや特徴を一番わかっている人がユーザーの前でプレゼンテーションすることも多いと聞きます。こうした背景を受けて機械創造基礎では、グループワークによって設計・製作した作品のコンセプトやアピールポイントをクラスメイトや先生の前で発表する「ものづくりプレゼンテーション」を行っています。そこでは、ものづくりの過程や製作した作品の仕組みをわかりやすく説明することはもちろんのこと、作品に込めたグループ全員の熱い思いやこだわりを、限られた時間の中で的確に伝えるための手法を学びます。

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図1 企業が求める大学生のスキル
[日本経済団体連合会:新卒採用(2013年4月入社対象)に関するアンケート調査結果,2014年1月9日,https://www.keidanren.or.jp/policy/2014/001_kekka.pdf


グループワークの課題3「アルミニウムホイルはどこまで高く・強くなれるか」のものづくりプレゼンテーションは図2のような流れで実施しました。ここで一番大事なのは、ものづくりのベースとなるコンセプトでしょう。色々な拘束条件の下で、最大限の成果(競技ポイント)を発揮するためのアイデア・デザインと、その実体化をアピールします。プレゼンテーションを聞いていると、コンセプトがぼんやりしているグループは総じて競技ポイントが低く、逆に、企画立案の段階ですでに高さ・重さ・美しさのいずれかに的を絞ってものづくりを行ったグループは得点が高い傾向があります。やはり「二兎を追う者 一兎も得ず」でしょうか。また、高さ vs 強さという、ある意味、相反する特性を兼ね備えるための工夫、例えばわずか20μm(0.02mm)のアルミニウムホイルをねじって強さを与えるような、とても理にかなった方法をディスカッションの中から見出したグループもありました。最後のスライドにある目標値と実測値の比較では、大半のグループが予想(目標値)を下回る競技ポイント(実測値)となったものの、ものづくりの難しさを身を持って体験できてよかったとの感想がたくさん寄せられました。このような形でプレゼンテーションし合うと、おのずと自分のグループの良い点・悪い点が見えてきます。「人の振り見て 我が振り直せ」ではないですが、こうした経験を卒業までの間に数多く積み重ねることで、学生時代にぜひ自分のプレゼンテーションの仕方を確立してもらえたらと思っています。

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2 ものづくりプレゼンテーションの流れ


最近、ネットで論議を呼んだ話題、「良いものが売れるもの」か、はたまた「売れるものが良いもの」か。残念ながら世界の風潮は「売れるものが良いもの」になりつつあります。その一方で日本は、ものの性質・性能や使いやすさを追求する職人かたぎのものづくりで技術大国と言われるまでになりました。日本人の気質として、その方向性は決して間違っていないですし、どこの国にも真似できない素晴らしいものづくりです。高校生のみなさんが機械のエンジニアになられる頃は、今よりもさらに進化し、洗練されたものづくりが展開されていると思います。しかしながら、私達の先輩が長い年月をかけて育んでこられた、ものづくりにかける情熱はしっかりと受け継いで、オンリーワンなものづくり、オリジナリティーあふれるものづくりを決して忘れてはならないことを、4回連載記事の最後を締めくくるメッセージとしてお伝えしたいです。

東京工科大学工学部にはそんなものづくりをサポートする、バラエティーに富む教員や充実した設備が揃っています。ぜひ一度、八王子キャンパスへいらして下さい。みなさんが目指すものづくりを叶える機械工学科が、そこにはあります。

次回は違った話題でみなさんとお目に掛かりたいと思っています。その時までお元気で!

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