ものづくりコンテスト
| 固定リンク 投稿者: 機械工学科
みなさん、こんにちは。材料グリーンプロセス研究室の古井です。寒い日が続いていますが、カゼをひいていませんか? 高校生のみなさんにとって、冬は進級・進学を控えた大事な時期です。体調管理には気を付けて、勉強に部活にがんばって下さい。
最近では、みなさんにも広く知られるようになった「NHK学生ロボコン」や「全日本学生フォーミュラ大会」のような工学技術系の競技会にとどまらず、エコ活動,地域活性化,ビジネスプランなどの色々なコンテストが開催されていますよね。このような工学技術系のコンテストでは、
① 既成概念にとらわれず、自ら考え、自らの手でものを創るおもしろさを体験する。
② 発想することの大切さ,ものづくりの素晴らしさを共有する。
③ 競技を通じてその成果を競う。
[ものづくり課題 その1] アルミニウムホイルはいかに大きく・美しくなれるか
量販店で売られている幅25cm,長さ15m,厚さ0.02mmのアルミニウムホイルを使って、大きく・美しい回転体を作る課題です。そのコンセプトは
(1) 自分で描いて、他の人が作る。
(2) 回転体の大きさd(mm)×回転距離L(mm)を競技ポイントとする。
(3) 回転体の美しさは学生と教員による投票で評価する。
この課題のメインテーマは、回転する形を維持する強さをいかにしてアルミホイルに与えて、長い距離を回転させるか。学生諸君は図面の中でアイデアを膨らませつつ、コピー用紙を使って試作を繰り返しながら、最終的にはアルミホイルでものづくりします。アルミホイルの厚さはわずか0.02mm(20μm)ですが、その作り方によっては、傾斜角度15°の坂をきちんところがって、競技ポイント6650点を記録するような作品もありました。
ものづくりコンテスト「アルミニウムホイルはいかに大きく・美しくなれるか」
[ものづくり課題 その2] アルミニウムホイルはどこまで高く・強くなれるか
アルミホイルで飲料缶を載せるタワーを作る課題です。そのコンセプトは
(1) グループで描いて、グループで作る。
(2) タワーの高さH(mm)×飲料缶の重さ係数Wを競技ポイントとする。
(3) H<2h,H≠hの条件を満たさなければならない。(h:地面から飲料缶底部までの高さ)
(4) デザインの思想や作品の特徴などをプレゼンテーションする。
タワーに載せる飲料缶は中身が入った160,250,350ccの3種類。高さと強さという、ある意味、相反する性質をデザインへ盛り込むためにグループみんなで試行錯誤しながら、アイデアを形に落とし込みます。
ものづくりコンテスト「アルミニウムホイルはどこまで高く・強くなれるか」
左の図(a)は、タワーの高さ(タワーの全高H=600mm,飲料缶の高さh=600mm)に主眼を置いて、200ポイントを獲得した作品です。飲料缶を置く台はハニカム構造からヒントを得て、パイプを連結した構造となっています。一方の(b)は、タワーの高さよりはむしろ、飲料缶が3個(重さ係数W=1.2)載る強度に特化しています。760gもの重さに耐えるタワーとしての強さもさることながら、飲料缶が倒れないよう柱で支える工夫がされています。(a),(b)いずれも、グループとして何を目指すか,それを実現するためにはどうするかといった創意にあふれています。
高さと重さを追求したアルミニウムホイルタワー
最近の若者は、パソコンやインターネットのような仮想空間の中で考えることはとても得意な反面、それをベースにして実際にものを作ることは苦手だと言われます。ものづくりを社会基盤とする日本の未来を背負って立つ若者が、創造性に富むリアルなものづくりができるか否かが問われているんですね。この機械創造基礎のものづくり課題では、まずは手を動かしてものを作る中で、機械の専門知識や技術を学ぶために基礎となる事柄に気づいてもらいたいと思っています。実学主義を建学理念とする東京工科大学の中でも、最も創造的・実践的なものづくりカリキュラムがここにあります。みなさんもぜひ機械工学科で最先端のものづくりグループワークを体験して下さい!
このブログではドローイングを介したコミュニケーションが機械のものづくりにとって大事なことを強調してきました。みなさんが目指すこれからのエンジニアはそれにプラス、ものの良さを相手に理解してもらえるよう的確に伝える発信力が求められます。次回のブログでは、ものづくり課題を通じて得られた成果をアピールするプレゼンテーションにフォーカスして、企業が求める大学生のスキル「社会人基礎力」を交えながら、お話しを展開してゆきます。またお目にかかりましょう。
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