レーザーでものづくり! 【その1:光で物を切る-2】
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皆さんこんにちは,光・エネルギー研究室の大久保です.
オーストラリアの学会の話の続きで研究の話を書こうと思ったのですが,良く考えたら以前
書いた記事(「レーザーでものづくり! 【その1:光で物を切る】」)の続きを書いてからで無いと良く分からないことになってしまう事に気づきました.
そんなわけで,今日は
というお話をしたいと思います.
さて,以前の記事に書いたように,
- 光はレンズ等を使ってエネルギーを一点に集中することが出来る
- 光エネルギーは熱エネルギーに変化することが出来る
ということから,
「光を集めて得られた熱で物を燃やしたり溶かしたりすればそこにある物だけ除去出来る」→「集光する場所を線状に動かせば,その線上で物が切れる」
ということになります.
レーザーも当然光ですから,レンズ等で集光すれば物が切れるわけです.
さて,これだけでは前の記事で書いた太陽光と変わらないじゃないか,太陽光で良いじゃないか,と思ってしまいますが,もちろんレーザーには太陽光に無い利点があります.それは
もの凄く小さく集光する事が出来る
ということです.虫眼鏡で太陽光を集光してもせいぜい直径1mm程度にしか集光できませんが,レーザーであれば簡単に髪の毛の太さよりも小さい領域に集光する事ができます.
革を指で押しても革を突き抜けるのは難しいですが,針であれば簡単に革を突き抜けられるように,同じ手の力でもそれを集める面積が小さい方が大きな力(この場合正確には圧力)が得られますよね.
それと同じで,太陽光を虫眼鏡で集めてもその面積が大きいためにせいぜい1000℃にもなれば良い方ですが,レーザーを集光すれば小さく絞れるので簡単に数千℃の高温に達することが出来ます.そのため,太陽光では切れないような物もレーザーであれば簡単に切れるわけです.もちろん,集光した点がレーザーの方が小さいのですから,切った部分もキレイに切れるというオマケ(?)付きです.
さて,オーストラリアの学会で遊んで来たような話をしたままですが,次回こそ「レーザーで物を切るシミュレーションを海外で発表してきました」という中身についてお話したいと思います.
おおくぼ
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