微分積分Iの講義紹介
| 固定リンク 投稿者: 機械工学科
皆さんこんにちは.光・エネルギー研究室の大久保です.
今日は私が担当している,機械工学科に入って最初の関門「微分積分I」の講義紹介をしましょう.
前回も少しだけ書きましたが,この「微分積分I」という科目の特徴は下記の通りです.
- 内容は工学の基本となる「微分積分」の基礎.
- 数式をいじるテクニックではなく,「実際の物理現象に微分積分をどのように使うのか」ということに重点を置いている.
- 必修科目と言って,ある程度以上の成績を取って単位認定されないと留年してしまう.
- 教科書は英語のテキスト(最後のページは943ページ!)を用いる.
読み進める毎にちょっと怖くなってきてしまうかもしれませんね.
特に「英語の教科書」は.
これは東京工科大学が掲げるグローバル教育の一環として採用しているのですが,ご安心あれ.
- 私は日本語で喋ります.
- 講義資料も日本語です.
- 1000ページ近くを半年でやるわけではなく,一年半かけて学ぶ
どうでしょう,少しは安心出来ましたでしょうか?
「まぁ『少し』は…」という答えが返ってきそうですが,ちょっと講義中の様子を見て頂きましょう.
写真左側のような広い教室で講義を行っています.
高校よりもだいぶ広い印象だと思いますが,機械工学科の121名全員が受ける講義ですので,広い講義室が必要なのです.
また,広いので私はマイクを持ちながら右側の写真のように後ろの席の方へもウロウロと歩き回りながら講義を進めて行きます.後ろの方にいれば当てられない…と油断していると突然後ろの方に行って当てられたりもするわけで,学生達は気が抜けないかもしれませんね.
さて,そんな中,学生達の手元を見てみましょう.
ぶ…分厚い…って正直思った人も多いかと思います(ちなみに,名前が書いてあったので一部ぼかしてあります).
でも,ここで言いたいのはそこではありません.
重要な単語は講義でも説明していますので,こうやって学生達はテキストに書き込んだりしながらノートも取っているわけです.
例えば,皆さん "volume(ボリューム)" と聞いたら何を思い浮かべるでしょうか?
「音量」?「巻数」?
ブッブー.
工学の世界(だけではありませんが)では「体積」なんですね.
そのような「英語で工学の文章の読み書きをするのに必要な単語」はきちんと講義で説明しています.
後は,図と数式が読めればなんとかなるはずですし,講義は教科書に沿って設計していますので,復習する時はそれなりに意味が分かるようになっているはずです.
ただ,予習は大変だろうという事で「予習資料」まで作って配布するという,至れり尽くせり(自画自賛)の講義となっています.
もちろん,英語ばかりに気を取られるわけではありません.
内容としてもただ数学を教えるのではなく,
「微分積分を使うと物理の力学で皆が必死で覚えた公式は一瞬で求められる」
というような,
「実際に微分積分は何の役に立つのか」
という事を重点的に教えています.今まで
「数学って何の役に立つんだよ?なんでこんなの勉強しなきゃならないんだ,イライラ…」
と思っていた人も,納得してもらえると思います.
例えば,先日は車が上ることが出来る橋の形状を考えるのにも微分が使えるという事を示しましたし,次回は太陽光を集めるためのミラーはどのようにしたら設計できるのかを微分を使って説明する予定です.
そんな
「役に立つ,しかも英語の力も付く実学のための微分積分」
の講義を東京工科大学工学部機械工学科では開講しています!
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