3Dプリンタ その2 種類と特徴
| 固定リンク 投稿者: 機械工学科
まず、図1は、プラスチック線を熱で溶かしてノズルから射出しながら平面に図を描き、これを積み重ねることのより立体を作成する方法で、安価な3Dプリンタはほとんどこの方式を採用しています。熱の影響を受けやすいために精度はそれほど良くありません。
図1 熱溶解積層法
次に、光を当てると硬化する特殊な液体樹脂を薄く注ぎ、部材となる部分にのみ光を照射し固化させ、次いでその上に再び樹脂を薄く注ぎ、先の手順を繰り返して立体を造形する方法です。光が当たらなかった部分は液体のままなので、簡単に固化した部分のみを取り出すことができます。また、完全に固化させるためにアルコールで処理するなどのポスト処理を必要とする場合があります。
粉末焼結造形法は、プラスチックなどの粉末を薄く引き、部材となる部分にレーザー光線を当て溶融固化させ、さらに再びその上に粉末を薄く引き、先の工程を繰り返すことで立体を造形する方法です。最近では、金属部品を製作できる3Dプリンタも開発されています。
インクジェット方式は、光硬化性樹脂を微量に吹付け、ランプ等で固化させながら造形を行って行く方法で、現在最も高い精度で加工を行うことのできる方式です。
図4 インクジェット方式造形法
各々の特徴をまとめると表1の様になります。
表1 3Dプリンタの主な原理と特徴
下の写真は、国産3Dプリンタメーカーのサンプルです。ベース板と左右の歯車のついた部品、そして真ん中の部品の、4つの部品からできており、片方の歯車を回すと、反対側の歯車を回すことができます。このモデルは、実は3Dプリンタで組み立てたまま一度に製作されています。
動くモデルを一度に作るためには、各部品の間にすき間を作る必要がありますが、その隙間を水や溶剤で溶けるサポート材で埋めて製作したり、簡単に折れるようなささえを作っておいたりして実現しています。
このような動く機械を一度に作ってしまえるなんて、すごいことだと思いませんか?
「ものづくり」カテゴリの記事
- ものづくりプレゼンテーション(2016.03.15)
- ワーム型ロボットの研究開発:4輪駆動運搬車両の開発について(2016.02.08)
- 油圧ジャッキ その1: 城を動かす(2016.01.27)
- 世界レベルの研究を東京工科大学から!(その4)(2015.12.01)
- 【速報】レーザー加工機が入りました!(2015.11.19)
「3Dプリンタ」カテゴリの記事
- 3Dプリンタ その3 サステイナブル工学と3Dプリンタ(2015.02.20)
- 3Dプリンター講習開催(2015.02.13)
- 3Dプリンタ その2 種類と特徴(2015.02.10)
- 3Dプリンタ その1 今と昔(2014.12.15)