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ブラサカとロボット

| 投稿者: 機械工学科

こんにちは、大山です。
みなさん、“ブラサカ”って聞いたことがありますか?
ブラインドサッカーのことです・・・ブラインドサッカー??
ブラインドサッカー世界選手権2014が、11月16日から24日まで、国立代々木競技場で開催されました。(http://www.wc-blind-football.com/)4年に一度開催されるワールドカップです。開会式とその後の開幕戦の日本対パラグアイ戦を見てきました。日本が1-0で勝ちました! 12か国参加で、決勝戦はブラジルとアルゼンチン、??、なんかよくあるケースのような・・・。ブラジルが優勝です。日本は、過去最高の6位でした。

 

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写真1 日本チーム、パラグアイチームの選手入場

日本ブラインドサッカー協会(http://www.b-soccer.jp/)のホームページを引用すると、次のように解説されています。

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ブラインドサッカーはイマジネーションとオリエンテーションを駆使した5人制サッカーです。また、視覚障がい者と健常者が同じフィールドでプレーすることのできるユニバーサルスポーツでもあります。
【プレーヤーの人数】4人のフィールドプレーヤーとゴールキーパー、さらにコーチ、コーラーを加えた7名がピッチに立つことができます。
【アイマスクの着用】フィールドプレーヤーは視力の差を公平にするためにアイマスクを着用します。
【音の鳴るボール】ボールには特殊な鈴が入り「シャカシャカ」という音がします。
【ボイ!のかけごえ】フィールドプレーヤーは、ボールを持った相手に対し「ボイ!」と声を出すことが義務付けられています。互いにブラインド状態のままでは、ボールを持った選手の位置は把握できても、ディフェンスする側の位置は把握できないため、危険な接触を防ぐためのルールです。この「ボイ!」を発しないとノースピーキングというファールになります。
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私も初めての観戦だったのですが、「すごい!」の一言です。なぜって、ボールの中の鈴の音だけで、あれだけボールをキープできて、パスできて、シュートできるのかと! 私も一時期サッカーに明け暮れていましたが、しっかり見えていてもうまく蹴れなかったのに・・・。決勝戦ぐらいになると、しっかりクロスパスが通っていました。
見ていて思ったことは、ブラサカをロボットでできるかな、ということです。ロボカップというのを聞いたことがあるでしょう。『西暦2050年までに、人間のサッカーの世界チャンピオンチームに勝てる、自律型の人型ロボットチームを作る』という課題を立て、ロボットと人工知能の研究の発展を目指したものです。最近では2足歩行のロボット同士でボールを蹴りあうところまできましたね。これは、カメラを使った視覚情報処理が基になっていて、人間の視力・認識力を人工的に再現し、人間のような動作をさせようという方向で開発がされています。もちろん、このような開発は重要ですが、ブラサカを見ていて、音だけを聞いて判別することの重要性と音の情報量の多さを感じました。音を聞いて動くというのはパッシブ(受動的)なセンシング(計測)に基づいて判断することです。人は声を出してお互いの位置を特定することができますし、たとえばクジラは水中で音波を出して相手を探していますが、これはアクティブ(能動的)なセンシングといいます。ボールの鈴の音だけに基づいてサッカーをするロボカップもあっても良いかなと。将来、卒業研究のテーマにしようかな・・・。

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写真2 日本対パラグアイ戦

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