レーザーでロケットを打ち上げる!?!
| 固定リンク 投稿者: 機械工学科
こんにちは、光・エネルギー研究室の大久保です。
はやぶさ2を乗せたH2Aロケットが無事に打ちあがりましたね~。
関係者の皆さん、まずはおめでとうございます。
さて、さらにアメリカでもオリオンの打ち上げが…延期されたというニュースを見ながら実はこの記事を書き始めました。H2Aも延期に延期を重ねていたものが打ち上げられたわけですし、こういうイベントはなかなか思い通りに行かない事も多いんだろうなぁ…と他人事ながら色々と想像します。
どちらも小惑星に行くとか、火星に行くとか、行先が注目の的のようですが、皆さん打ち上げ方に興味を持った事はありませんか?実は
レーザーを打ってロケットを打ち上げよう
なんて研究もあったりするのです。
実は僕もレーザーで物を動かす「レーザー推進」の研究をやっていました。
光というエネルギーを物を動かすエネルギーに変換するわけです。
光を当てたら物が動く、って何か不思議で楽しそうですよね(と思うのは僕だけでしょうか)。
光もエネルギー、動くのも運動エネルギーですから、何らかのエネルギー変換を起こせれば良いわけです。一番簡単なのは、
・ドーンと強いレーザーを物に当てる
・何かしらの物が一瞬で高温になって爆発のような現象が起こる
・その爆発に吹っ飛ばされて物が動く
と、こんな原理で「光で物を動かす」ということが出来るわけです。
もちろん最新の研究は色々と複雑な現象や形状、材料の組み合わせによって色々と推進力や燃費を研究されています。
一番有名(?)な動画を紹介しておきましょう。→youtube
2:30くらいからレーザーによるターゲットの打ち上げなのですが、英語の苦手な人でも、画面を見て頂くだけでなんとなくすごい感じは分かってもらえるのではないでしょうか。
これの原理は簡単に言うと
・ターゲットを回転させて安定させる(コマが安定するのと同じですね)
・レーザーを下からターゲットに当てる
・ターゲットに当たったレーザーはさらにそのすぐ下に集光され、空気を爆発させる
・その爆発力でターゲットは上に吹っ飛ぶ
というようなイメージです。
レーザーはロケット等の推進体の外側から打てば良いので、推進体を軽く出来るというのが最大の利点です。
今のロケットは打ち上げるためのエネルギー源として重い重い燃料を積んで打ち上げるわけですが、そのエネルギー源が外からレーザーとして与えられれば、それだけロケットの積荷が軽くなるから、楽に打ち上げられるはず、というわけですね。
実際はまだ、ロケットを打ち上げられる程協力なレーザーをどうやって作るか等の課題はありますが、夢のある技術だと思いませんか?
僕もそんな夢のある事を発表している学会に参加したりしながら、自動車の模型をレーザーで走らせて遊んで…っじゃなかった、研究していました。
東京工科大学ではそんなレーザー推進についても研究していきます!
おおくぼ
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