機械工学科の学び:4つ目の特徴
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東京工科大学工学部機械工学科学科長(予定)の松尾です.
立場上この学科ブログの第1弾に指名されましたので,今日は特に受験生のみなさんに知っていただきたい本学科の特徴について書きます.
来年4月にスタートする新しい工学部の3つの特徴は,サステイナブル工学,コーオプ教育,グローバル基礎教育です.ですが,これらの基本は学部共通であり,今までにウェブやパンフレット,オープンキャンパスでも説明していますのでパスして,今回は機械工学科ならではの4つ目の特徴だけに絞ります.
一言で言うと,それは,めくるめくものづくり体験の場です.
機械工学は,人の役にたつ機械やそれを作る機械を創造することを通じて社会に貢献する工学分野ですが,技術や社会の進歩に伴って,その守備範囲はさまざまな領域へと広がっています.そのため,机の上の勉強で拡大する知識をむやみに追いかけようとすると,大学4年間はそれだけで終わってしまいます.
そこで,現在の機械工学のカリキュラムでは,多様な知識を最大限詰め込むことではなく,ものづくりの体験を通じて基本理論や技術,考え方を実感を持って身につけることが重視されています.特に,東京工科大学の機械工学科では,常にものづくりをアクティブに体験しながら,初心者から徐々に内容をステップアップ できるようなカリキュラムを用意しています.
1年次には,まず「機械創造基礎」という授業科目で,簡単に手作りできる素材を使って,少人 数チームで力学を実感できるようなテーマのものづくりに挑戦します.この段階では,特別な知識や技術は要りません.手を動かす中で専門科目の基礎となるいろいろなことに気づき,実感してもらいたいと思っています.
2年次になると,まず前期には,「機械製図実習」で機械設計の共通のことばといえる製図の基礎を,「機械工学基礎実験」の中で工作機械を使ったものづくりの基礎を学びます.後期には,「3D-CAD実習」で最新の設計ソフトを 使った設計,シミュレーションや3Dプリンタを使った製作を実習し,さらに「マイクロコントローラ実習」で,今やあらゆる機械や機器の頭脳となっている小 さなコンピュータを使って,小型のロボットを操るプログラミングやセンサ,モータを活用する電子回路工作を体験します.
以上の経験は,3年次前期の「機械工学応用実験」のさらに高度な技術習得へとつながります.そして3年次後期には研究室に所属し,「創成課題」で卒業研究の 準備をしながら,「機械創造応用」では,それまでの学びを集大成して,本格的な機械システムなどの創造・設計・製作に少人数チームで取り組みます.
これらの科目で積み重ねた経験により培ったものづくりの素養は,4年次の卒業研究や大学院での学びでさらに磨かれ,社会に出てから必ず開花するはずです.
さて,このカリキュラムの目玉の一つは「機械創造応用」ですが,そのテーマは,それぞれの研究領域のトピックスや,学外の技術コンテスト挑戦を目標にするな ど,各研究室の指導教員が鋭意工夫して設定します.一例として,私の研究室では,NHKの大学ロボコンに挑戦する過程そのものをテーマにしてしまおうと考えています.
NHKの大学ロボコンは,ABUロボコンの国内大会として,全国の大学のチームが毎年違うテーマで競技を行うためのオリジナルのロボットを創造・設計・製作するイベントです(詳しくはこちら).最近は常連校の技術が非常に高くなり,新参校はなかなか太刀打ちできませんが,本学科ではしっかり基礎からものづくりを学べますので,きっと3年後にはりっぱな成果を あげてくれるものと期待しています.
実は,このアイデアは,すでに現在コンピュータサイエンス学部の別の授業で実施していて,今年も24人の3年生が大学ロボコン2015にエントリーしています.現在,1月下旬のビデオ審査に向けてロボットの設計製作に励んでいますが,なにぶんにも学部の専門領域の違いもあり,なかなか苦労しているようです.このお話は別の回にでも紹介しましょう.
最後に,以上のように本学科ではものづくり体験の持続とステップアップをカリキュラムの柱としていますので,そのための環境もしっかり用意する予定です.現在,上であげた授業を始めとして,さまざまな実験・実習,プロジェクト,研究で使うための,最新の工作機械や実験機材,これらを使いやすい実験室やワーク ショップの整備を進めています.ついては,ものづくりに興味のある人,自分で手を動かして感動したい人は,ぜひ本学科に入学してください.このように充実 したカリキュラム,設備,スタッフを揃えていますので,決してみなさんを後悔させない自信があります.
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