ねじって、ねじり戻すと、あら不思議!?
| 固定リンク 投稿者: 機械工学科
お元気ですか! 機械工学科の古井です。
このブログでは、私が研究している金属の「ねじり」について、3回に分けて、そのおもしろさをお伝えしてゆきますね。
どうぞお付き合い下さい。
みなさんがよく食べている、うどんやそば。
麺のコシを出すために、職人さんが生地を手でこねたり、足で踏んだりしていることはご存知ですよね。
実は金属も同じで、つぶしたり・引っ張ったり・曲げたりなど、形を変えることによって強さや粘さを与えているんです。
でも裏を返せば、形を変えないと金属は強くならないの???
そんな疑問の中から生まれたのが「ねじり戻し」という方法です。
例えば、長さ25cmのアルミニウムの六角棒の両端を機械でつかんで、片方を2回転だけグルグルねじると、(e)のように棒の表面にはきれいなねじり模様が入ります。
言ってみれば、水を含んだタオルをしぼると固くなるのと同じように、アルミニウムの六角棒は特にその表面が硬くなります。
今度は、逆の方向にねじり戻すと、ねじり模様は少しずつなくなって、同じ2回転だけねじり戻した(i)では、ねじる前の(a)の形状へ逆戻りします。
これを私は、ねじり戻しによる「原形回復現象」と呼んでいます。
では、しぼったタオルのように硬くなったアルミニウム六角棒は、ねじり戻すことによってどうなるのでしょう???
答えは、(i)のねじり戻したアルミニウム六角棒は、(a)のねじる前に比べて、その硬さは1.3から1.5倍にまで上昇しています。
つまり、形はそのままで、硬さ(強さ)をアップすることができるんですよ。
そこにはどのようなメカニズムが働いているのでしょう。。。
そんなねじり戻しによる摩訶不思議な現象は、機械工学科の講義でやさしく・楽しく解説してゆきます。
次回は、金属だけではなくて、ねじりは私達の身体にも良い効果があることをお話ししますね。
どうぞお楽しみに!
「研究紹介」カテゴリの記事
- ISCIIA & ITCAに参加してきました! (by 大学院1年生@機械工学科卒)(2018.11.19)
- 電気学会C部門大会2018(2018.09.24)
- 内閣府の国家プロジェクトで展示会に出展してきました!(2017.04.21)
- 大学コンソーシアム八王子学生発表会で準優秀賞!(2016.12.05)
- 研究をして世界と闘おう!(2016.09.20)
「授業紹介」カテゴリの記事
- 中間/最終発表会と暑気払い(2018.09.04)
- 新入生交流会!(2018.04.23)
- 足跡は地球を救う!その1「吾輩はfootprintである」(2018.04.13)
- ついにクライマックスへ!「サステイナブル工学プロジェクト演習」(2017.12.11)
- NHK学生ロボコン大会特番とサイエンスZERO(2017.07.11)
「ものづくり」カテゴリの記事
- ものづくりプレゼンテーション(2016.03.15)
- ワーム型ロボットの研究開発:4輪駆動運搬車両の開発について(2016.02.08)
- 油圧ジャッキ その1: 城を動かす(2016.01.27)
- 世界レベルの研究を東京工科大学から!(その4)(2015.12.01)
- 【速報】レーザー加工機が入りました!(2015.11.19)